カズオ・イシグロ

今年のノーベル文学賞はイギリスの作家カズオ・イシグロでした。1954年に長崎で生まれましたが5歳の時に家族でイギリスに渡り、1983年にイギリス国籍を取得し1986年にイギリス人と結婚しています。

テレビでは日系人といって騒いでいますが、日本の面影は1980年代に出版された日本(長崎)を舞台とした初期の2作品(「遠い山なみの光」と「浮世の画家」)にしか感じられません。

私がカズオ・イシグロの作品に出会ったのは2011年3月に発生した東日本大震災のすぐあとです。震災で節電のために休館になっていた図書館が4月から午後だけ開館することになったので、私の”読みたい本リスト”に書かれていた「わたしを離さないで」の文庫本を借りたのが最初です。

どうして”読みたい本リスト”に入れていたのかは記憶にないのですが、新聞の書評を読んだか当時上映されていた同名映画の記事を見たのかも知れません。映画は本を読んだ後に日比谷に観に行きましたし、2012年6月にWOWOWシネマで放送されたのを録画して見ています。その後単行本も購入しました。

「わたしを離さないで」は2005年に出版された最新(当時)の長編小説でしたが、その後は出版された年代順に「遠い山なみの光」(1982年)から「浮世の画家」(1986年)、「日の名残り」(1989年)、「充たされざる者」(1995年)、「わたしたちが孤児だったころ」(2000年)と図書館で借りて読み進みました。

「日の名残り」はブッカー賞を受賞し、1993年にアンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンの主演で映画にもなっているのでDVDを購入して見ましたし、2012年10月にBSプレミアムで放送されたのも録画して見ています。

また、カズオ・イシグロが脚本を書いた映画「上海の伯爵夫人」(2005年)はレンタルDVDで見ましたし(その後購入)、WOWOWシネマで2015年3月に放送されたのも録画して見ました。これは書き下ろしの脚本ですので原作小説はありません。同じ上海を舞台にした小説「わたしたちが孤児だったころ」とはまったく違う話です。

これらの作品の中で私が一番面白いと思ったのは今回受賞の対象となった「日の名残り」で、次が「わたしを離さないで」でしょうか。「充たされざる者」はかなり難解というか読んでいて混乱しますし、最新刊の「忘れられた巨人」は1/3ほど読んだところで挫折し1年以上机に積んだままになっています。

この受賞を機会に過去に放送されたカズオ・イシグロ関連の番組が再放送されるようで、まず「カズオ・イシグロ 文学白熱教室」が明日8日にEテレで再放送されますが、2011年4月にEテレのETV特集で放送された「カズオ・イシグロをさがして」も是非再放送してもらいたい番組です。

(10/16 追記)
ノーベル文学賞受賞を契機にカズオ・イシグロに関する多くの記事が書かれていますが、その中で私が持つイメージによく合っているのは、Newsweek 日本版に載ったコリン・ジョイスが書いた「カズオ・イシグロをさがして」です。彼はイギリスのジャーナリストですが日本にも十数年間住んだことがあり、日本に関する様々な本を書いています。上記のETV特集のタイトルと同じですが、これは偶然でまったく関係ありません。

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