最近読んだ本から

本は電子書籍(Kindle)を含めてたくさん読んでいるのですが、長いことブログでは紹介していませんでした。そこで久し振りになりますが、今年に入って読んだ本の中から2冊を紹介したいと思います。

まず初めは「治さなくてよい認知症」(上田諭著)です。

高齢化により認知症を患う人は増加していますが、この本は実際に認知症の診療にあたっている医師が書いたもので、これまでの診療のあり方を根本的に問い直す内容になっています。

いまの医療では認知症の進行を遅らせることはできても回復させることは残念ながらできません。しかしながらあたかも症状がよくなるような誤解を与えて投薬が行われているなど問題のある診察が多いとのことです。

そこで著者は認知症を治すのではなく患者の立場に立って張り合いのある生活を送らせるようにすることで、患者自身だけでなく介護者も精神的、肉体的に楽にさせることができると提案しています。

肉親が認知症になってその介護で苦労されている方には一読の価値があると思いました。

2冊目は「キャスターという仕事」で、NHKの「クローズアップ現代」のキャスターを23年間に亘り続けていた国谷裕子さんが書いたものです。

番組のリニューアルという理由でキャスターを突然降板させられた(NHKから契約を打ち切られた)ことで、どうしてなのかといろいろな憶測を生んだことは記憶に新しいところです。

最初の方で「クローズアップ現代」に関わるまでのこと、筆者が帰国子女で日本語がうまく話せないという負い目を感じていたことなどの生い立ちや、ネイティブな英語を話せることで経験したさまざまな仕事のことが書かれています。この部分は私の知らないことばかりでしたので大変興味深く読みました。

その後に「クローズアップ現代」の最初のキャスターに抜擢されて、番組自体の制作がどのように行われ筆者がどのように関わっていたか、キャスターという仕事の難しさや、挫折を経験したり達成感を味わったりといったことが具体的な番組テーマとともに書かれています。

私にとっては80年代の仕事漬けの生活でテレビなど見る時間がなかった状態からやっと脱出できた頃に始まった番組で、時間がある限り見ていましたから、その当時の記憶が蘇ってくるようでした。

このような良質な番組が打ち切られたことは何かを象徴しているようで、このような時代の流れに漠然とした危機感を感じています。